カテゴリ:自殺
「お子さんの様子が最近おかしい」
「パートナーが思い悩んでいる様子で気になる」
あなたの大切な人が最近思い詰めて悩んでいるようで気になっていませんか?
また、突然何も言わずに家を飛び出して家出をするようになったなどはありませんか?
もしかすると、大切な人がSNSでの誹謗中傷やいじめに悩んで一人で抱え込んでしまっているかもしれません。SNSでの誹謗中傷は、誹謗中傷を受けた被害者にとってそのダメージは大きく、自殺を図るケースが少なくないのです。
今回は、SNSの誹謗中傷で自殺してしまった事件や、SNS誹謗中傷問題の実態、SNSで誹謗中傷を受けてしまった場合の対処法と相談先について解説していきます。
あなたの大切な人やあなた自身をSNSトラブルから守るためにぜひ参考にしてみてください。
Contents
SNSでの誹謗中傷とは、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSの普及に伴って深刻化しているインターネット上の誹謗中傷のことです。
SNSの匿名性がその誹謗中傷に拍車をかけているため、必要以上の嫌がらせや悪口が投稿されていますし、不特定多数の人が見られるため誹謗中傷が拡散されて、相手を傷つけています。
度が過ぎた誹謗中傷行為を行った場合は、名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損罪、業務妨害罪などの罪に問われることもありますが、法律に詳しくない人が被害者になってしまう場合は泣き寝入りする人がほとんどであるというのが現状です。
SNSの誹謗中傷を受けた被害者が負う心の傷は大変深いもので、誹謗中傷を苦に自殺してしまうケースも少なくありません。
SNSを利用している人が増えている現代では、このような事件に巻き込まれてしまうのは他人事ではないのです。
リアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さん(当時22歳)がSNSで誹謗中傷されたことを苦に自殺した問題は記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。
木村花さんが自殺した後、番組は打ち切られましたが、その後も「お前のせいで楽しみにしていた番組が終わってしまった」といった誹謗中傷の書き込みは収まらず、さらに遺族を苦しめていました。
SNS誹謗中傷を苦に自殺するのは芸能人や有名人ばかりではありません。
2020年9月には名古屋市で18歳女性とその友人がSNSでの嫌がらせを理由に飛び降り自殺をしています。
SNSに「次はちゃんと死にます」と投稿してから自殺を図っていて、それまでにSNSで「どうせ死ぬ死ぬ詐欺だろ」などと書き込まれていたようです。
東京都町田市の小学校6年生の女子生徒が2020年11月に自殺したとい痛ましい事件も起こっています。
学校で配布されたタブレット端末を使って加害者の生徒がSNSに「うざい」「死んで」などと悪口を書き込み、ほかの同級生と内容を共有していたことが原因とみられています。
大人だけでなく小学生までもがSNSのいじめや嫌がらせが原因で自殺をするという衝撃的な事件として問題視されています。
SNSの誹謗中傷で自殺をしているのは日本だけの問題ではありません。
ネットの誹謗中傷が原因で自殺する問題は韓国では2000年代から発生しており、2007年に歌手のユニさんや女優のチョン・ダビンさんがネットの誹謗中傷を苦にして自殺しています。最近でもKARAのク・ハラさんも自殺し、ショックを受けた人も多いのではないでしょうか。
SNSの誹謗中傷を理由に自殺をしてしまうという悲劇は絶対に回避しなければなりません。特に、お子さんがSNSでいじめを受けている場合、自分で自分の身を守るすべを知らないため、親御さんが守ってあげるしかないのです。
では、あなた自身やあなたの大切な人がSNS誹謗中傷被害を受けたら、どのように対処していけばいいのでしょうか。
SNSにはミュートやブロックといった機能がついています。それらを使い、自分が傷つくような嫌がらせや誹謗中傷の投稿を見ないようにして自分の心を守りましょう。
誹謗中傷の投稿に対してむやみに反論すると、状況が悪化する可能性が高いので、度を越しているような誹謗中傷でなければ基本的には無視するのが得策です。
誹謗中傷の投稿そのものを消してほしいという場合は、SNSの「通報」「報告」「お問い合わせ」などのメニューから、SNSの運営者に対して投稿の削除依頼を申請することもできます。
投稿の削除依頼をする際は、誹謗中傷の内容の投稿をスクリーンショットで保存していくか、投稿のURLと公開された時間がわかる証拠を残しておくことが大切です。
SNSで誹謗中傷を受けたときの対処法として、発信者情報開示請求を行うことも有効です。発信者情報開示請求とは、インターネット上で他者を誹謗中傷するような表現を行った発信者の名前や住所、電話番号などの情報を、プロバイダに対して開示を求めるための制度です。
SNSの誹謗中傷は匿名で行われることが多く、そのために泣き寝入りする人が多いのですが、発信者情報開示請求をすれば加害者を特定することができますので、加害者に対して慰謝料請求や損害賠償請求などの法的措置を取ることが可能になります。
ただし、発信者情報開示請求の手続きには法的知識も必要で手続き自体も煩雑なため、弁護士に依頼するのがベターでしょう。
SNSの誹謗中傷加害者に対して合法的に仕返しがしたいと思っている人もいるでしょう。その場合は、加害者に対して損害賠償請求を行うという方法があります。
損害賠償請求を行えば、お金が手に入るということももちろんですが、加害者に対してどれだけ酷いことをしたのかわからせるというメリットもありますし、これ以上誹謗中傷の被害を防ぐことも可能になります。
他にも侮辱罪や名誉毀損罪などの刑事責任を追及し、刑事告訴をするという法的措置を取ることもできます。
損害賠償請求や刑事告訴をする場合は、裁判所で認められる決定的な証拠が必要になります。SNS上の誹謗中傷の証拠はなかなか素人では法的に有効なものを取ることが難しいので、ネットトラブルに強い探偵に調査を依頼するのがいいでしょう。
上記で誹謗中傷の対処法をご紹介しましたが、実際にはSNSで誹謗中傷を受けたらショックで何から手を付けていいのかわからなくなることもあると思います。
そこで、どうすればいいのか迷ってしまった場合の相談先について見ていきましょう。無料でアドバイスをくれる相談窓口もありますので、思い詰めてしまう前に気軽に相談してみるといいですね。
法務省の人権擁護機関が設置している相談窓口で、パソコン・スマートフォンからの相談を受け付けてくれます。
相談フォームに氏名・住所・年齢・相談内容を入力して送信すると、後日メールもしくは電話でアドバイスを回答してくれます。
関連リンク:法務省のインターネット人権相談窓口
サイバー犯罪相談窓口は都道府県警察本部に置かれている相談窓口です。こちらもメールや電話でSNSの誹謗中傷の相談を受け付けています。
また、最寄りの警察署でも相談することができます。
関連リンク:サイバー犯罪相談窓口
セーファーインターネット協会とは、インターネット企業の有志によって運営されている団体で、SNSの誹謗中傷に関する相談受付のほかにも、誹謗中傷ホットラインを開設していて、国内外のプロバイダに対して誹謗中傷の投稿の削除対応を促す通知をおこなってくれます。
誹謗中傷の投稿削除がしたい場合は、こちらへの相談だけで解決する可能性もありますので、ぜひ相談してみるといいでしょう。
関連リンク:誹謗中傷ホットライン
SNSで誹謗中傷をしてきた加害者に対して損害賠償請求や刑事告訴を考えている場合は、弁護士への相談が必要になります。
弁護士への依頼には費用がかかってしまいますが、法的措置を取ることで泣き寝入りせずに済みますし、損害賠償請求で支払われた金額から弁護士費用を捻出することも可能になります。
まずは無料相談でどういった法的措置が適しているのかを含めて詳しく聞いてみるといいでしょう。
弁護士に損害賠償請求や刑事告訴を依頼し、裁判所で手続きを進めていくにあたって誹謗中傷の被害を受けたという法的に有効な証拠が必要になります。
損害賠償請求するに値する被害を受けているのか、誹謗中傷の内容が刑事罰にあたるのかなど、裁判所で決定していくことになりますので、有効な証拠についての知識も必要になってきます。
そのため、証拠を集めるための調査はプロの探偵に任せるのがベストです。探偵に依頼する際はネットトラブルに強い探偵を選ぶことがポイントです。
関連リンク:SNSトラブル対策ソリューション
誹謗中傷やいじめは最近始まったことではありませんが、SNSの普及に伴いその内容が悪質化し自殺まで追い込まれてしまう被害者が後を絶たなくなっています。
SNSの誹謗中傷やいじめをなくすことは現実的に難しいですが、誹謗中傷を受けた時に適切に対処していき大切な人を守ってあげることは可能なはずです。
今回ご紹介した対処法や相談先を参考に、SNSトラブルをしっかりと回避しつつSNSとうまく付き合っていっていただければ幸いです。